高校の水泳部顧問を息子はどう思っていたのか
高校の入学式の時は何枚か写真を撮ったのですが、卒業式の時は私も妻も早く高校から去りたいという気持ちが強く働き、息子の太郎の写真は1枚も撮影しませんでした。
卒業して嬉しいという気持ちより、クソな水泳部顧問がいる高校との関わりを、ようやく断つことができる喜びの方が強かったですからね。
とにかく私や妻の拒否反応がかなり激しかった高校の水泳部顧問ですが、気になっていたのは、息子はいったいどう思っていたのかということ。
大学入学前の春休み期間中に、息子に尋ねてみました。
「水泳部顧問をどう思っていたの」と。
息子から返ってきた答えは
「極力考えないようにしていた」
恨むとか憎いとか許せないといった感情を飛び越えて、とにかく水泳部顧問のことを考えない。
言い方を変えれば、水泳部顧問の存在自体を頭の中から消し去るように努めていた、ということになります。
学校へ行けば水泳部顧問に会う危険性があるわけで、私や妻とは違って毎日意識しなきゃいけない。
そうなると神経が持たなくなるだろうし、それこそ起立性調節障害の兆候が出て学校になんて通えなくなってしまう。
だからこそ、頭の中から水泳部顧問の存在を消し去るように努めていたのだと思います。
本当は息子に
「水泳部顧問と話をしたことはあるの? 向こうから話しかけてきたりはしたの?」
と聞きたかったのですが、この日はやめておきました。
ようやく表情も明るくなってきたし、イヤなことをこれ以上思い出させるのは酷だと思ったからです。
2年生の時には体育の授業を持たせるなと学年に申し入れは行いましたが、それは腕を組んで息子に一言も発さずさらにジーっと見てくるという、いわば睨みつけるような態度をし息子に対して威嚇してくると思わせる態度を取ったからです。
その態度についても謝罪があって当然ですし、息子に何のアプローチもしないということは、自分の非も認めていないという証拠でもあります。
また水泳部顧問である前に高校の教師ですからね、自分から動くのも当然だと思いますが。
まさかの答えが
この時息子に尋ねたことは他にもたくさんありました。
もう大学生になるわけだし、今までのように欲しい物は買ってもらうという考えから、脱却する必要はあるかもしれないなと尋ねてみたら
「大学に入ったらバイトをするつもりで、スマホでいろいろと見ているよ」
「働きすぎたら税金とか払わなあかんようになるやんな」とか。
以外に考えているんだなと。
それと大きな疑問だった、なぜ家でそんなに筋トレをしいるの? まさかボディビルダーになろうとか思ってないよな。
「うん。スポーツはしたいと思っているから」
「でも大学の部活動に入ると時間的に他に動きにくくなりそうやから、スポーツ系のサークルに入りたいと思っている」
何かやってみたいスポーツってあるの? そのスポーツのサークルがあればいいんだけど。
「水泳のサークルがあるらしくて。それに入りたいなと思ってる」
え?
水泳?
部活動ではないけど、水泳のサークル入りたい?
もう水泳はしないと本人が言っていたし、水泳の道具類はすべて捨ててしまったのですが。
本当は水泳が好きだったのですね。
好きだったけど大学の部活動となるとかなりハードだし、子供が進学する大学の水泳部はそこそこレベルが高い。
高校の時のような嫌な思いはしたくない。
試合会場で高校の同級生にもあまり会いたくはない。
だからサークルを選んだのかな。
良い選択だと思うし、バイトなどいろいろ考えていて安心した。
ただ一つだけ言わせてね。
大学に行こうが、社会に出ようが、揶揄ってきたり暴力に訴えるような奴は必ずいる。
高校の時のように黙っているのはダメだ。
何かあれば言ってくれ。
もう大学生になるわけだし、4月1日からは成人扱いになる。
だからやりたいことはやれば良いし、応援する。
でも困ったときは必ず言ってくれ、それだけだ。
高校時代のいじめの原因を今も引きずっている
入学式を迎えた4月1日。
公園などの桜もほぼ満開。
少しだけ家を早く出て、駅近くの公園の桜をバックに、息子の晴れ姿を撮ろうとした妻。
しかし息子はマスクを取ることを拒否し、仏頂面で1枚だけ妻のスマホに収まりました。
もう1枚・・・
太郎はすたすたと駅に向かって歩き出しました。
平日の朝だったので通勤のために駅へ向かう人が多く、そんな中で写真を撮られることに嫌悪を感じたようでした。
大学の正門前をはじめ、構内の桜などをバックに入学記念の写真を撮る親子が大勢いました。
校門前では撮影の順番待ちの長蛇の列ができるほど。
しかし息子はすべて拒否。
それも私や妻とは少し離れて歩く始末。
「1枚だけ撮らせて!」と駆け寄った妻に対して
「気持ち悪いからイヤ!」
ムスッとしたまま入学式が行われる講堂へ1人歩いてき、私と妻は保護者の会場となっている体育館へ入っていきました。
結局息子の晴れ姿は駅近くの公園で撮った1枚のみ。
でも仕方がないのかなと思っています。
息子の太郎はとにかく、おちょくられたり、バカにされることを極端に避けます。
昔は「おちょけ」な子だったのですが、高校で元同級生で同じ水泳部員だったAからバカにした言動を浴びせ続けられたことで、全く性格が変わってしまいました。
親と一緒にいる
親と一緒に写真を撮っている
なんて所を、他人に見られることを極端に嫌がります。
大学にいる息子の知り合いは高校2・3年生で同じクラスだった生徒1人だけ。
それにほとんどすべての新入生が写真を撮っている状況で、同じように写真を撮ったとしても誰もバカになんてしません。
でも息子はダメなのです。
おちょくられたり、バカにされる原因を作りたくはない。
おちょくったり、バカにするような行動を見るのも許せない。
そんな性格にさせられてしまったのですから。
大学からの帰りは息子とは別でした。
今日は機嫌が悪いのかもしれない・・・
なんて思いながら家で息子の帰宅を待っていたのですが、家に入ってきた息子はいたって普通。
外での表情とは全く別人のようでした。
家の中では他人は誰も見ていないから、何をしたっておちょくられたり、バカにされることはありませんからね。
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