013 いじめの加害者は本当に同級生一人だけだったのか?

 

いじめの加害者は本当に一人だけだったの?

じつは私の心に引っ掛かることがあります。

 

2020年1月6日(月)に家を出た後、学校とは反対方向の電車に乗って行方不明となり、途中の駅で降りてトイレ内で手首を切って死を選択しました。

本人曰く相当な出血があったようですが死には至りませんでした。

 

 

この時点で分かっているのは、同じようにスポーツ推薦で入学した水泳部員であるAに、2019年6月ごろから継続的に太郎のすべてを否定し侮辱するような言動を浴びせ続けられたこと。

 

 

たしかに半年間も否定されて侮辱されるような言葉を浴び続ければ、気がおかしくなりますよ。

この時点では太郎を追い詰めたのはAひとりの名前しか上がっていなかったのですが、果たして本当にひとりによって死を選ぶほどに追い詰められたのだろうか。

私にはほかにも太郎を追い詰めた人間がいるのではないだろうか。

そんな気がしていたのです。

 

 

2020年1月30日に学校で太郎と私たち夫婦と学年部長(学年主任)・副部長(副主任)との話し合いを行ったわけですが、帰宅してから私と太郎の2人きりでゆっくりと話し合いをしてみました。

私と妻の2人が揃って太郎の前に座っていろいろと聞き出そうとすると、太郎は圧迫感を感じて本当のことを喋ってくれないかもしれない。

そう思ったから妻がいない時を見計らって太郎と話をしてみようと思ったのです。

 

 

水泳部顧問の無視も大きな要因だったのかも

2020年1月30日(木)

「なぁ太郎、Aからの言葉だけでここまで追い詰められはしないと思うんだけど、他にも気にかかることとか、心の中にモヤモヤっとして引っ掛かっていたことってなかったの?」

 

 

こう問いかけてみたのですが、太郎はやはり重い口を開こうとはしません。

怒鳴りつけて喋らせるようなものではなく、ここはイライラする気持ちを何とか抑えてやさしく問いかける場面。

「太郎の心の中から頭のほうに何人かの名前がスーッと浮かんできただろ?ゆっくりでいいから話してみて」

「太郎が悪いことをしたから苦しんでいるんじゃないだろ?その苦しませる原因を取り除いていこう」

「どう話していいのか分からなかったら、単語でボツボツと話すだけでもいいよ」

 

こういう風に問いかけようと思っていたのですが、実際にはかなりきつい言葉を太郎に投げかけてしまいました。

別に太郎が悪いことをしたのではないのですが、人間ができていない私はイライラを抑えることができませんでした。

2時間以上は説得というか叱責したと思います。

 

 

「あのね、水泳部顧問ね・・・レースの前とか後とか水泳部顧問の所へ行って話をするやんか・・・でね、僕の時は何もしゃべらなかったり、“あっそう”って言われるだけやねん・・・」

 

重い口を開いた太郎はこのような事をしゃべり始めました。

 

一般的に水泳のレース前には、コーチ等から指示を受けます。

最初の入りの25mを26秒で行けといった戦術面とか、隣のレーンの人はいつも先行するけど慌てないようにと言った心の持ちようなど、一人一人に的確な指示やアドバイスを送ります。

またレース後は良くなっている部分やダメだった部分の確認や指摘をするなど、次のレース以降に繋がるようなことを話されます。

レース直後に指摘されることで、選手側も改良しなきゃいけない部分や良くなっている部分が分かって次回のレース以降に活かせますからね。

 

ところが水泳部顧問は太郎には何も話さないことが多く、もしも口を開いたとしても

あっ、そう

次がんばって

の一言で済まされるというのです。

 

 

「T君の時はいつも何分も話をするし、フォームのこととかいろいろ話をするのに、僕には一切ないねん」

 

 

水泳部員全員に同じ態度ならば太郎も心に引っ掛かることはなかったでしょう。

幼稚園で同じ組だったT君は太郎と同じ種目に出場することが多く、太郎とは違って昔から速いスイマーでした。

同じ種目に出場するため、2人はレースの前後にそろって水泳部顧問のもとへ行きます。

太郎の目の前でT君には丁寧なアドバイスや指示が行われるのに、太郎には一言も無し。

学校から出場するすべての試合でこのような状態だったようですから、自分は必要とはされていないのだって思ったのではないかな。

 

T君は小中学校時代から県の強化選手に選ばれるような選手ですし、県の強化合宿や強化練習には水泳部顧問はコーチとして参加していますから、水泳部顧問は昔からT君のことを知っているわけです。

ところがうちの太郎はそんな速い選手ではありませんから、水泳部顧問のことを知ったのは高校に入学してから。

水泳部員といっても試合以外ではほとんど水泳部顧問とは顔を合わせませんから、太郎から水泳部顧問に何か話しかけるのも難しかったのではないか。

 

 

学校ですれ違う時は『おはようございます』って挨拶してるけど、他の部員には返事するのに僕は言ってもらったこともない

 

挨拶をしても無視されるというのです。

 

そんなに悩んでいるのならば、なぜ一言でも相談しに来なかったのだ。

元々太郎は自分からコミュニケーションを取ろうとしないから、いざというときに相談することもできないのだ。

 

これは2020年1月7日に太郎と妻が学校へ行った際に水泳部顧問に言われた言葉です。

水泳部顧問は太郎がコミュニケーションを取ろうとしないと言った。

しかし太郎からは具体的な例を示して水泳部顧問が無視してくることを説明したのです。

 

 

水泳部顧問を尋常ではないほど怖がっていた

太郎からの話を聞いたあと、思い出したことがありました。

 

 

2019年8月中頃、太郎のスマホのLineが開かれたままだったことがありました。

何気なく見るとそこには

皆さんにご迷惑をおかけすることになって本当にすいません

のような謝罪の言葉がズラッと並んでいたのです。

そのLineの相手は水泳部顧問でした。

 

みんなヒマなわけじゃないし、お前の予定に合わせて行動なんてできないんだ

太郎が送ったLineの前には、このような水泳部顧問からの文言が並んでいました。

 

1年生の1学期の終業式の当日、学校の水泳部から出場した試合があり公欠となっていました。

ですので通知表(通知簿)を受け取ることができなかったのです。

他の水泳部員たちが、いつ・どうやって通知表を受け取ったのかは分かりませんが、太郎はお盆の時期になっても受け取っていなかったのです。

 

私も妻も通知表を受け取っていないことは当然気になっていたので

「通知表は学校に取りに行かなくちゃいけないの?」

と何度か太郎に聞いたのですが、夏休みに入ってすぐの頃は

「担任が持っているらしいけど、担任が試合で学校にいないらしい」

そして8月に入ってからは

「水泳部のサブコーチが預かっているようなことを聞いたけど、いつ取りに行けばいいのか答えてくれなくて」

私や妻とこのようなやり取りをしました。

その後太郎は水泳部顧問に問い合わせたところ、上記のようなLineが水泳部顧問から送られてきたようなのです。

 

太郎のLineをすべて見たわけではないので、その前後にも何らかのやり取りがあったのだが、太郎のミスによって受け取ることができなかったのかもしれません。

なので一方的に水泳部顧問が悪いという事もできませんし、太郎が的確に判断し行動しなかったのが原因なのかもしれません。

 

しかし

太郎のLineでの水泳部顧問への謝り方が尋常ではない

 

 

そもそも2019年の夏休みに入る前くらいから、太郎はスイミングスクールが休みの日に学校での練習にも参加していました。

タイムを少しでも伸ばそうと太郎自身も思っていたでしょうし、私や妻も少しは学校での練習に参加して水泳部顧問と接触する機会が増えるほうが良いのではないかと思い勧めたのです。

 

太郎に何度か尋ねたことがあったのです。

「水泳部顧問は教えてくれたり、ダメな部分を指摘してくれたりはしているの?」と。

しかし太郎からの返事は

「いいや、ぜんぜん」

 

水泳部顧問は太郎に話しかけることは一度もなかったようです。

というよりも、太郎が練習に参加していたことに気付いていなかったのか、はたまた無視していたのか。

水泳に関するアドバイスどころか、練習前後にあいさつをしても返してくることも一度もなかったと言います。

太郎は水泳部顧問に対する恐怖心を、夏休みの前くらいからどんどん大きくしていったのではないか。

 

夏に太郎から少しは話を聞いていたのに、2020年1月30日に太郎から話を聞くまで思い出せなかったなんて。

もっと早く気づいてあげておれば、太郎は死を選ぶほど苦しまずに済んだのかもしれない。

本当に親として情けない気持ちになりました。

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