冗談も一切通用しなくなった息子
２年生の新学期はWEB授業で始まり、たまにサボることはあるけど概ね授業に参加できているようです。
ただ精神的に安定している状態にはほど遠く、私も妻も太郎に対してはとにかく気を使って接している状態でした。
しかしたまにですけど、こちらとしては冗談のつもりで太郎に言った言葉が、太郎の心には突き刺さる矢のように尖った言葉として取り込まれてしまい、急に怒り出したり涙ぐむこともしばしばありました。
スイミングスクールが休講となっていることもあって夜は9時には寝ることが習慣化してしまい、さらにほとんど外に出ることがなくなり運動不足から体重増。
また精神的な不安定さから過食傾向になっていること、学校も授業と言ってもWEBで行っているので早起きの必要がなく寝すぎになってしまいます。
それならばと朝5時前に起床して運動がてら歩くことにしました。
我が家は海抜34mでそこから1.7Km先の標高155mの公園まで歩き、1周約450mの公園内を太郎は7～8周ほど走り、その間私と妻は歩く。
そしてまた来た道を歩いて帰る。
最初の数日間は2～3周走っては歩くという感じでしたが、すぐに続けて走れるようになっていました。
登校が再開されるまで毎日歩いて走って体を動かすことで少しは発散もできるので、少しずつですか顔色もよくなっていきました。
しかしちょっとした一言に激しく反応する状態は変わりません。
公園からの帰り道
「（二歳上の）お兄ちゃんは太郎と違って全然ほったらかしで高校を卒業して就職しちゃったなぁ」
「太郎の言うとおりにお兄ちゃんも、お父さんも、お母さんもたいてい動いているしね」
と私と妻が何気に太郎に話をしたところ
「そんなんお兄ちゃんのほうが絶対に得やん！僕なんかずっと損しっぱなしや！」
そこからは涙を浮かべて一言も口を利かない、そんなことがよくありました。
一度なんて妻がふつうに話しかけたことに対して
「やっぱり僕はいらない子なんや・・・」
以前は軽く流したり、同じように冗談めかして話をすることができたのですが、いじめ被害以降は太郎には冗談が一切通用しなくなりました。
これは1年以上が経過しても変わっていないです。
茶化されたり馬鹿にされたような言葉を聞くと（自分でそう思うと）ものすごく反発してきます。
元同級生Aや水泳部顧問に茶化されたり馬鹿にされたような言葉を浴びせられ続け、以前は我慢し続けて溜め込むだけ溜め込んで一気に爆発して死を選ぶまでの状態に。
今は心が茶化した言葉や馬鹿にされたと感じる言葉を一切受け付けなくなり、すぐに反発するようになったのかなと思います。
兄と弟
通勤のために義母の家に居候する太郎の2つ上の兄。
2020年4月1日に入社し1か月間は新入社員研修のため座学を行う予定でしたが、緊急事態宣言発令のために出社せずに会社が貸し出したPCによってお勉強することに。
そして少し疲れが出たのか4月24日に微熱を出し、PCによるカリキュラムはすべて終えていることから家に帰ってきたのでした。
25日から29日までの5日間。
WEB授業の時間以外は兄とベッタリでゲームしたり、しゃべったり、いっしょにおやつを食べたり。
夜寝るときも布団を並べてベラベラしゃべり続けて。
29日には義母の家に戻った兄ですが、GWで授業がないことから2日に1度は太郎を連れて義母の家に行き、兄の職場までの運転の練習に同乗して過ごしました。
兄と過ごしたことで少しだけですが、太郎に柔和な顔が戻ってきたような気がします。
太郎のほうからしゃべってくる機会も少し増えたような気もします。
ただ太郎には冗談めいたことや、茶化されている馬鹿にされていると太郎が感じ受け取った言葉に対しての反応は変わりません。
いじめや圧力などによって言葉へのアレルギー反応を起こしているのか、心が過敏になっているのか。
元同級生Aや水泳部顧問からはいったいどのような言葉を投げかけられていたのか。
少しは話してくれたからいじめが発覚したわけですが、おそらく言われた言葉のうちの1割にも満たない言葉しか話してくれていないでしょう。
もしも言われた言葉の大半を聞く機会があったら、私も妻も元同級生Aや水泳部顧問に対して殺意が芽生えていたかもしれません。
義母の家には月に3～4回は行っています。
妻は実の母のことも気になるでしょう、自分の子供の面倒を見てもらっているわけですから。
そして太郎は兄の顔を見るとやっぱりホッとするようです。
このままWEB授業が続いてくれてもいいのにと思ったけど
学校へ行けないことによる弊害がニュースなどで語られるようになってきました。
学習面での不安
心理面での不安
うつ傾向
生活リズムの乱れ など
たしかに学校へ行かなくてもよいという状況は、通常時には考えられないことです。
台風等気象の関係やインフルエンザによる影響で数日間休校ということは通常でも起こりうるわけですが、新型コロナによる休校は異例の長さになりました。
多くの生徒は学校へ行けない状態に苦しんだのかもしれませんが、私や妻にとっては太郎を学校へ行かせなくてもよい、太郎にとってもWEBで授業を受ければよく、学校へ行って1年生の時の担任や水泳部顧問に遭遇しないで済むので、心への負担が大幅に軽減されるのではないか。
そしてこのまま夏休みまでWEB授業を継続してくれればいいのにと、私も妻も心底思いました。
我が家の地域は5月21日に緊急事態が解除されましたがすぐに登校再開とはならず、6月中旬までは週に1～2回だけ登校。
それも半日は学校で勉強するものの、半日はWEB授業という形で少しずつ学校に復帰できるような態勢でした。
少しずつ登校日数を増加させ、少しずつ学校での授業時間を増加させていくというやり方は、太郎にとっては本当にありがたかったですよ。
クラスには1～2名しか知っている人がいない状態で、心に深くて大きな傷を負った太郎が長い時間その空間に一緒にいるのは相当な負担になります。
週に1～2度だけ学校に3時間ほどいるだけという状態は、徐々に慣れていくにはちょうど良かったように思います。
今思えばWEB授業が夏休みまで続き、長い夏休み明けからはふつうの授業となるほうがしんどかっただろうな。
あくまで太郎にとってはちょうどよい助走期間となった気がします。
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