市立尼崎高校水泳部のいじめ問題
2020年2月27日に一斉に報道された市立尼崎高校水泳部(以下 市尼 と略します)でのいじめの問題。
2年生の水泳部員が複数の水泳部員から仲間外れにされるなどのいじめを受け、さらに同校の水泳部顧問らが加害者側の言い分を聞くだけで済ませようとし、なんと被害を受けた生徒を加害者側に対して謝罪をさせていたという件です。
今でも新聞各社の記事がネット上に残っているので、詳しくはそちらを見ていただければ幸いです。


この事件を私の息子である太郎へのいじめと、いじめ発覚後の水泳部顧問らの異様な対応について書いているこのカテゴリーに加えたのには理由があります。
なんといっても水泳部顧問の常軌を逸したとしか言えない対応が、市尼と私の息子が通う学校で似通っているなと思うことですね。
とにかくいじめの被害に遭った生徒に寄り添うといった気持ちは微塵もなく、水泳部顧問自身の経歴に傷が付かないようにすることしか頭にはなかった点。
学校内の上層部だったり、学校を監督する立場の教育委員会や学校法人に知られないように内々で処理しようとした点。
そしていじめの被害に遭った生徒を排除しても構わない、そんな態度がむき出しだったことが似ているからです。
その他にもこの市尼での出来事に関しては思うことや感じること、そして共通点が多くあることが徐々にわかってきたのでここに記していこうと思います。
水泳連盟
よく教師・学校とともに教育委員会の問題について語られます。
あまりにも動きが鈍くて杜撰だからいじめの問題がさらに大きく広がってしまう、という意見には私も大賛成ですが、市尼の件や私の息子の件においては水泳連盟の対応も相当ひどいと思っています。
市尼の件が発覚したのは2020年2月ですから2019年度になるわけですが、翌年度である2020年度の兵庫県水泳連盟役員名簿にいじめ問題に直接関わっている市尼の水泳部顧問3名のうち2名の名前が記載されています。
あれだけ問題になったのに、それでも水泳連盟の役員(PDFファイルです)として名を連ねているということが私には信じられません。
そしていまだに恐怖感しか持つことができない、太郎を追い詰めた水泳部顧問もこの役員名簿に名を連ねています。
太郎は同級生の水泳部員からのいじめと、水泳部顧問の高圧的な態度によって自殺を図りました。
命は助かりましたが、その後もいじめ加害者を擁護する発言を連発し、とにかく加害者を許すことを太郎に押し付けることに終始したような人間を、いまだに役員として入れている水泳連盟に違和感しか感じることができません。
太郎の件もいじめが発覚したのは2020年1月で、それ以降の水泳部顧問による高圧的な態度は2020年3月まで続きました。
こちらも年度で言えば2019年度なのですが、2020年度の役員に名を連ねているのですからやはり水泳連盟の対応はおかしいと言わざるを得ません。
市尼の件は報道によって広く知れ渡っていますが、太郎の件は一般には知られてはいません。
ただしいじめ加害者が退学処分になったことは、多くの水泳関係者がその事実を知っています。
なにせ水泳連盟の強化選手に指定されていますからね。
それでも役員として迎え入れてしまう水泳連盟の体質がおかしいと思うのです。
速ければ偉いのだと錯覚したままの大人
以前私はこのブログに
ということを書きました。
市尼の水泳部顧問たちも、そして太郎をいまだに苦しめ続けている水泳部顧問も、やっぱり錯覚や勘違いしたまま大人になり、そして教師になったのでしょう。
そして水泳連盟に属する多くの役員も同じ感覚しか持っていないのでしょう。
そうでなければ、わざわざ役員に入れたりはしませんよ。
市尼の件も私の息子の件も学校内で起きたことではありますが、いじめの被害者もいじめ加害者もともに水泳選手であり、常軌を逸したとしか言えない対応をしたのは水泳部顧問でもあり兵庫県水泳連盟の役員たちです。
なのに連盟側は何事も無かったかのように、それらの水泳部顧問を役員に配置したまま。
さらに太郎に言葉の暴力で死ぬ間際まで追いやった人は、兵庫県水泳連盟の2020年度のジュニア強化指定選手に名を連ねています。
県からの合宿等ではコーチとして水泳部顧問たちも参加し、退学処分となったいじめ加害者である強化指定選手を指導する。
市尼の水泳部でも、平然とした顔をして水泳連盟の役員でもある水泳部顧問が指導に当たっているわけです。
それに対して何とか太郎は水泳の試合に出場できるまでになりましたが、市尼の件でいじめに遭って心に大きな傷を負った女子生徒は水泳自体をできないでいるのではないか。
そこには過去は速い選手だったかもしれない女子生徒や、もともと大したことがない太郎のような選手はどうでもよい。
いま現在速い選手が偉いのであって、それらの選手の指導に当たってきたコーチはさらに偉いのだから連盟の役員に名を連ねる。
速いから偉いのだという理論のみで動く人たちだけの集まり、それが水泳連盟なのではないかと感じるのです。
だいたい生徒の人生を滅茶苦茶に壊しておきながら、平然と水泳の指導に当たる人たちの神経が私には理解できません。
また水泳連盟の役員を打診されたとしても、普通の神経を持つ大人ならば断りを入れるものです。
そんな当たり前の事さえわからず、とにかく速い選手は偉い!
そんな偉い選手を指導する立場にある自分はもっと偉い!
という錯覚に酔いしれて、世間の感覚からずいぶんかけ離れているような人たちが、教師として学校に勤めること自体がおかしいと思うのです。
市尼のいじめ被害生徒との共通点
市尼でいじめに遭い、さらに水泳部顧問のあまりにも不適切な対応によって急性ストレス障害やPTSDを発症した当時2年生の生徒が誰であったのかは、水泳関係者はみな知っています。
ちなみに太郎はこの女子生徒より1つ下の当時1年生でした。
私も名前を聞いたことがある生徒だなと思い過去を遡ってみると、この生徒が小学生時代に通っていたスイミングスクールに、太郎も中学1年生まで通っていました。
ただし小学生の早い時期から選手として泳いでいた女子生徒に対して、太郎はそれほど速くはなかったので一緒に泳いだことはなく、太郎が選手コースに上がれた時にはすでに他のスクールへ移籍していたようです。
また中学生だった太郎の進学先として、市尼も候補に挙がっていました。
尼崎市立の高校ですが、体育科は推薦入学だけとなっていて、校区は兵庫県全域となっているので受験が可能だったのです。
ただし自宅からはかなり遠いことや、市尼の水泳部に入部する条件としてスイミングスクールを辞めなければいけないことがあり、太郎は水泳は続けたいがスイミングスクールは辞めたくないとのことで市尼を候補から外しました。
市尼を候補から外し、近くの公立高校への進学を考えていた矢先に私立高校の水泳部顧問から誘われたわけですが、今思うことは私立高校からの誘いなんて断っておけばよかった、それだけですね。
多分市尼へ進んだばっかりにこんなことになったてしまったと、いじめ被害に遭った女子生徒や保護者の方も思っていることでしょう。
いじめに遭うことも当然想定外ですけど、それ以上に水泳部顧問の対応がこれほど酷いとは思いもしなかったことでしょう。
ただ私はこのあと水泳部顧問だけではなく、他のスポーツの部活の顧問も大して変わらないんだなと思うことに遭遇することに。
正直言って教師の中でも体育科の教師・部活の顧問なんて、常識の欠片も持ち合わせていない人種なんだと思い知ることになりました。
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